「グレードも走行距離も近いのに、なんでこんなに値段が違うんだろう」

C220dワゴンの中古を探していると、こういう疑問にぶつかることがあるのではないでしょうか。カタログのスペックは同じに見えても、実際には価格の決まり方に、いくつかはっきりした「理由」があります。

当店では輸入車のディーゼル診断・修理・調整を専門にしながら、中古車の仕入れも長年やってきました。修理の現場と、仕入れの現場の両方を見てきた立場から、C220dワゴンを選ぶときに知っておいてほしいことを、正直にお伝えしていきます。

難しい話ではありません。「なるほど、そういうことか」と感じてもらえれば、それで十分です。

メルセデスベンツ C220dワゴン(W205)

メルセデスベンツ C220dワゴン(W205)。同じ車種でも、グレード・走行距離・状態によって価格の決まり方が大きく変わる。

ポイント① グレードで「土台の価格帯」が決まる

まず知っておきたいのが、グレードの違いです。C220dワゴンには大きく「スポーツ」「アバンギャルド」「AMGライン」の3系統があります。同じ年式・同じ走行距離でも、どのグレードかによって、価格の「土台」がまったく変わってきます。

ざっくり言うと、AMGラインはスポーツ系の2倍近い価格帯で取引されているケースが多いです。「スポーツって書いてあるからスポーティな印象があるけれど、相場は一番手頃」という意外さを感じる方もいらっしゃるかと思います。AMGラインはエクステリアのパーツがスポーティになり、装備も充実している分、そのまま価格帯に反映されるわけですね。

ですので、予算を決める前に、まず「どのグレードを探すか」を絞っておくことをおすすめします。グレードが混在したまま比較すると、「安い個体を見つけた」と思っても、そもそも別のグレードだった、というケースが出てきます。

ポイント② 走行距離には「壁」がある

次が走行距離です。これはC220dに限らず輸入ディーゼル全般に言えることなのですが、走行距離の帯によって、相場が「一段ずつ」落ちる傾向があります。

ざっくりした目安として、5万kmを超えると相場が一段落ち、10万kmを超えるとまた一段落ちる、というイメージです。5万km以下の個体は「まだ少ない」という希少感が価格に乗りやすく、割高感があります。逆に10万km超の個体は「手が出やすい価格」に見える反面、何が起きやすい時期かを知った上で選ぶ必要があります。

C220dのディーゼルエンジンは、基本的には高走行に強い作りです。ただ、10万kmを超えてくると、AdBlue(アドブルー)システムやNOxセンサー、インジェクター系など、ディーゼル特有のメンテナンス項目が出てきやすくなります。「安くて走行が多い」という個体を選ぶときは、購入後の維持費をセットで考えることが大切です。

メーター内 AdBlue警告 エンジン始動不可カウントダウン表示

走行距離が増えてきたC220dで実際に出た警告表示。「あと552km以内にエンジン始動不可」——放置するとエンジンが始動できなくなる。

ポイント③ ディーゼルとガソリン、相場の差は意外と小さい

「C220dのディーゼルは、同じグレードのガソリン車より高いんじゃないか」と思う方も多いのではないでしょうか。

ところが、同じグレード・同じ年式・同じ走行帯で比べてみると、AMGラインではガソリンとディーゼルがほぼ横並びの価格になっています。「ディーゼルだから高い」というよりは、グレードと走行距離で価格が決まっていて、燃料の差はそこまで大きくない、というのが正直なところです。

だとすると、同じ価格を出すならディーゼルのほうが有利になります。燃費がガソリンより良く、高速道路の多い使い方では特に差が出ます。ただし、ディーゼルにはAdBlue(尿素水)の補充が必要です。定期的な補充と点検が必要になる分、「燃費が良い分、別のメンテナンスがある」という認識を持っておくと、選んだあとに慌てずに済みます。

メーター内 AdBlue警告表示 走行可能距離制限

AdBlueシステムに異常が出ると、このような走行距離制限の警告が表示される。ディーゼル車特有のメンテナンス項目として把握しておきたい。

ポイント④ 評価点と修復歴は、値段に正直に出る

オークションの出品票には「評価点」という項目があります。車両の状態を専門の検査員が採点したもので、4.5・4.0・3.5……という形で表示されます。

この評価点が、価格にはっきり反映されます。同じ走行距離帯のディーゼルでも、評価4.5と評価4.0では数十万円の開きが出るケースは珍しくありません。「見た目には大きな違いがないのに、なぜ値段が違うのか」と感じたときは、評価点を確認してみてください。

修復歴(事故歴)も同じです。修復歴ありの個体は、修復歴なしの同条件車と比べて、かなり安く出ています。相場を大きく下回る価格の個体には、たいてい理由があります。

「安さには理由がある」ということ自体は、悪いことではありません。修復の程度や箇所によっては、問題なく乗れる個体もあります。ただ、理由を確認せずに飛びつくと、後になって想定外のコストが発生することがあります。価格だけを見るのではなく、「なぜこの価格なのか」を確認する習慣が、結果的に失敗を減らします。

XENTRY診断機画面 AdBlue関連DTC一覧

診断機(XENTRY)で確認した故障コード一覧。外観では分からない内部の状態が、ここに出てくる。評価点と合わせて、「見えない部分」を確認することが大切。

ポイント⑤ C220dを長く乗るために、一つだけ

C220dのエンジンは、ディーゼルもガソリンも、正しくメンテナンスを続ければ20万kmを超えても現役で走れる車です。ただ「正しく」の中身が、車によって少し違います。

ガソリン車であれば、ATフルードの管理や9Gトロニックの状態が長く乗るうえでの鍵になります。ディーゼルはそこにAdBlue/NOxシステムやインジェクターのケアが加わります。どちらも、症状が出てから診てもらおうとすると、診断できる整備士が限られている領域です。

買う前でも、買った後でも、こういった領域を専門に診られる整備士を一人見つけておく。それだけで、C220dとの付き合い方がずいぶん変わります。

9Gトロニック コントロールバルブボディ内部

9Gトロニックのコントロールバルブボディ。油圧経路と電子制御が一体化した精密な部品で、ここの診断には専用機器と経験が必要になる。

9Gトロニックの不調について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
メルセデス9Gトロニックの不調が増えています——原因と、直すか手放すかの判断

よくある質問(C220dワゴンの中古選びについて)

Q. C220dはディーゼルとガソリン、どちらを選べばいいですか?
同じグレード・同じ走行距離であれば、オークション相場での価格差は意外と小さいです。燃費面ではディーゼルが有利ですが、AdBlue(尿素水)の定期補充が必要になります。使い方(高速メインか市街地メインか)と、維持費の見通しを合わせて考えると判断しやすくなります。

Q. 走行10万kmを超えた個体は避けたほうがいいですか?
一概には言えません。10万kmを超えると相場が落ちますが、それはAdBlue系やインジェクター、AT(9Gトロニック)のメンテナンスが必要になりやすい時期でもあるためです。価格と維持費をセットで考えた上で、状態の良い個体であれば十分に選択肢になります。

Q. 修復歴ありの個体はどう判断すればいいですか?
修復の箇所・程度によります。軽微なパネル修理であれば走行性能には影響しないケースも多いですが、骨格(フレーム)に及ぶ修復は慎重に考える必要があります。価格が安い分のリスクを理解した上で選ぶことが大切です。

Q. 評価点はどのくらいを目安にすればいいですか?
4.0以上を一つの目安にするとよいでしょう。4.5以上になると価格も上がりますが、状態の安心感が高くなります。3点台は外装に目立つダメージがある個体が多く、購入後の修復費用を念頭に置く必要があります。

Q. C220dのディーゼルはAdBlueの維持費がかかりますか?
走行距離にもよりますが、定期的な補充が必要です。補充自体はそれほど高額ではありませんが、NOxセンサーやSCRシステムのトラブルが出ると、診断できる整備士が限られるため修理費用がかさむことがあります。専門店で定期的に状態を確認しておくことをおすすめします。

Q. 9Gトロニックのトラブルはどのくらい多いですか?
走行距離が増えてくると、油圧センサーやメカトロニクス部の不具合が出るケースが見られます。「Dに入れてもNに戻る」「変速がもたつく」「温まると症状が出る」といったサインが出たら、早めに専門の診断を受けることをおすすめします。

C220dワゴンの診断・修理についてのご相談

当店オートプラネットは、輸入車ディーゼルのAdBlue/NOx診断・修理と、9Gトロニックをはじめとする多段ATの診断・修理を専門にしています。

おかげさまで、ご相談の約7割が県外のお客様です。

丁寧な診断を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかります。お預かりの場合は1〜2週間程度のお時間をいただくことをご了承ください。

● AdBlue/NOxシステムの診断・修理をお考えの方
● 9Gトロニックの不調でお困りの方
● 県外からでも専門的な診断を受けたい方

ご連絡の際に、車種・型式・走行距離・症状をお知らせいただけると、スムーズにご案内できます。

輸入車ディーゼル・多段ATの診断・修理のご相談

AdBlue/NOxシステムや9Gトロニックなど、輸入車ディーゼル特有の診断・修理を専門にしています。「交換ありき」ではなく、原因をピンポイントで特定して必要な範囲だけ直す方針でやっています。

お電話でのご相談:048-798-2922

(受付時間 月〜土 9:00〜18:00)

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故障した状態のままでも当店で買取が可能です。

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※ご加入されている保険内容により変わりますので、
お手元に保険証券をご用意いただき、必ず事前にご相談ください。