BMW 520d アドブルー異常、カウントダウン残り18kmからの復帰
残り18km。再始動不可までのタイムリミットが刻一刻と迫るメーターパネル
今回は、BMW 520d(G30)のSCR(アドブルー)トラブルについての事例をご紹介します。
ご入庫いただいた際、車両のメーターには「残り18kmでエンジン再始動不可」という非常に切迫した警告が出ていました。
走行不能まで残りわずか
まずは診断機にて現在の車両の状態を正確に把握します。
車両の状態を確認し原因を特定していきます。
検出されたDTC(故障コード)は以下の通りです。
- 2C4E00: SCR システム:AdBlue の低品質を検知
- 29FB00 / 29FC00: シャットダウンシナリオ(警告レベル1と2)
診断機にはSCRシステムの異常を示すコードが複数刻まれていました
144,000kmという走行距離。クリーンディーゼル車において、SCR(選択式触媒還元)システムは避けては通れない急所の一つです。アドブルーの結晶化やセンサーの特性ズレ、ポンプの吐出圧低下など、経年劣化の要因は多岐にわたります。
ディーラーさんでは、原因を特定するために「まずはセンサー、次はタンク、その次は…」と高額な部品を順番に交換していくケースも少なくありません。しかし、それでも根本的な解決に至らず、再発の不安を抱えたまま乗り続けるオーナー様も多いのが実情です。
解決策としての「アドブルー撤廃」
今回は、将来的な再発リスクとコストのバランスを考え、オーナー様と相談の上、ECU(エンジンコントロールユニット)のプログラム調整による「アドブルーシステムの無効化」を選択しました。
当社の作業では、単にエラーを消すのではなく、以下のプロセスを徹底することで「安全性」と「確実性」を担保しています。
- 完全バックアップの徹底: 施工前に純正データを100%保存。いつでも元の状態に戻せる安全策を講じてから作業を開始します。
- ベンチモードでの精密書き換え: 車両からECUを取り出し直接プログラムにアクセス。通信エラーを排除し一つひとつのコードを確実に調整します。
全国の整備工場様からもECU調整を請け負うことも多々あります。現場で得た膨大なデータがあるからこそ、初めての車種であっても論理的な解決が可能です。
車両からECUを取り出し、専用機材を用いて直接プログラムを調整します
解析と書き換えを確実に行うための精密な作業工程です
カウントダウンからの解放
調整完了後、全てのパーツを元に戻し診断機にて最終チェックを行います。
プログラムの書き換えが正常に完了しました
純正データのバックアップも確実に行い安全性を担保します
あんなに騒がしかったメーター内のチェックランプと、精神衛生上よくないカウントダウン表示は完全に消えて本来の静かなコクピットに戻りました。
施工後、システム異常の通知は完全に消去されました
不吉な警告灯も消灯し、本来の姿を取り戻したメーターパネル
「あと数キロで動かなくなる」という不安。それはオーナー様にとって、何物にも代えがたいストレスです。その重荷を取り除くことができたので、今後はアドブルー関連のエラーに悩まされることはありません。
急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにも1~2週間程度のお時間をいただいております。
● 初めての問い合わせで不安な方
● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
重要な補足説明
毎回お伝えしていますが、この作業は「修理」とは言えないと考えています。
NOx・AdBlueの部品は、どちらも高額なうえに欠品していることが多く、「直したくても直せない」状態でお困りの方を数多くお見受けします。そこで、プログラムを少し“調整”したり、部品が入荷するまで動かせないお車に限って、一部の機能だけを一時的に“撤廃”したりして、お車を使えるようにするのがこの作業です。
エンジンチェックランプが点いている原因がわかっていても、NOxやAdBlueの警告で点灯し続けている状態では、まったく別の重大なトラブルが起きても、ドライバーさんは気づくことができません。
そこで、過敏に反応する設定になっている“閾値(いきち)”に少しだけ幅を持たせ、チェックランプの点灯を一時的に抑えます。本当に重大なトラブルが起きたときに早く気づけるよう、チェックランプ本来の「お知らせ」の役割を取り戻すための作業です。
部品が欠品・納期未定で車が動かせない(スターターロックが作動してエンジンがかからない)ときなどに、部品が届くまでの一時的な緊急対策として行うものです。部品が入荷したら、元のプログラムに戻して部品を交換することをおすすめしています。ご依頼の際は、この点をご理解ください。
この技術は、まだ発展途上です
ほとんどのお車で成功していますが、ごくまれに、エラーが消えない、スターターロックが再び作動するといったことが起こる可能性は、ゼロではありません。
この作業ができるネットワークは、今では10社まで広がり、これからも広がっていく見込みです。お互いに情報を共有し、ときにはトライ&エラーを重ねながら、全員で前に進んでいます。
まだ完璧に仕上がった技術ではないため、その「ごくまれ」なケースに当たり、ご迷惑をおかけしてしまうこともあるかもしれません。そんなときこそネットワークを生かし、施工する仲間たちと知恵を出し合って、精一杯対応いたします。全員が本気で取り組んでいますので、温かく見守っていただければ幸いです。
もちろん、そうしたことが起こらないよう、日々学び、腕を磨き続けています。「依頼してみたい」と思っていただけたら、お気軽にお問い合わせください。
オートプラネット 篠塚
AdBlueの警告でお困りの方へ
「あと数百キロでエンジンがかからなくなる」という警告。その不安を抱えたまま運転するのは、とてもストレスがかかるものです。
ディーラーさんでの高額修理に悩んでいる方も、まずは一度ご相談ください。
遠方の方でも、コンピューター(ECU)をお送りいただければ施工可能です。本来の落ち着いた状態で安心して乗れるよう、状況に合わせてアドバイスいたします。
故障で動かせないときは、引き取りに伺います
ご加入の自動車保険(任意保険)のロードサービスを使って、ご自宅や現地から当店までレッカーで搬送できます。遠方の方もご相談ください。
- ご利用は無料
- 等級に影響なし
- 保険料に影響なし
こんな症状のときに
修理後の納車や、修理期間中のレンタカーも、保険の付帯サービスで使える場合があります。
内容はご加入の保険によって異なります。お手元に保険証券をご用意のうえ、必ず事前にご相談ください。
修理費用によっては、お乗り換えも選択肢です。故障したままの状態でも買取できます。
故障車・不動車の買取査定はこちら
コメント Comments
コメント一覧
コメントはありません。
トラックバックURL
https://www.auto-planet.biz/blog/nox-adblue/bmw-g30-520d-adblue-repair/trackback/