メルセデスベンツEクラス 車検でご入庫いただき納車後にトランスミッションの不調でお預かりいたしました。
「バックに入らない」
「シフトをDに入れてもNにもどってしまう」
最近、メルセデスベンツの9速AT(9Gトロニック)で、こんな症状のご相談が増えています。
今回ご紹介するのは、Eクラス(W213)E220dで実際に発生した事例。
原因はトランスミッション内部のわずかな異常でしたが、事前の問診及び診断、慎重な作業で症状はしっかりと改善されました。
診断テスターで確認した結果、
トランスミッション内部の「コントロールユニット内部故障」のエラー。
ATFの量や汚れにも異常はなく、電子制御の領域で何かが噛み合っていない――そんな印象でした。
同業の輸入車整備ネットワークとの情報共有により故障箇所の特定を迅速に行うことができました。現場同士の連携があることで、より正確な判断と作業が可能になります。まるふくモータース福嶋さんありがとうございます。

専用ツールを使用してATFを排出。

コントロールバルブボディを取り外した状態。ミッション内部の油圧経路と電子制御が一体化した心臓部です。この中にある小さなプレッシャーセンサー不良がシフトトラブルの原因でした。
このセンサーは純正で単体供給がなく、通常ならバルブボディごと交換になります。でもそれでは費用もかなりの負担になりますのでお客様と相談の上、今回はセンサー単体での交換修理となりました。
TCUをコントロールバルブボディから切り離します。
このプレッシャーセンサーは単体での交換が想定されていない部品です。そのため、基板側の細かな加工や調整を行いながら対応しました。
交換後はTCUをバルブボディに取り付け元通りに復元。

オイルパンや各関連部品を交換します。

抜けた分のATFを充填。

9Gトロニックは今までの7Gトロニックに比べて油量調整は少し複雑です。
診断機の指示通り進めて流れ出てくるフルードが糸状になれば完了です。
油量調整後には各シフトギヤのアダプション(キャリブレーション)を実施。
すべての作業が終わったあと実際に50kmほど走行テストを実施。変速のスムーズさや走り出しの感触も問題なく、安心してお返しできる状態になりました。
ご依頼ありがとうございました。
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにも1~2週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 初めての問い合わせで不安な方
● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・主な作業内容

メルセデスベンツ E220d (213)
施工時走行距離: 74,000 キロ

・トランスミッション9Gトロニック不具合修理

同じようなトラブルでお困りでしたらお問い合わせください。

故障トラブルでお困りの方へ
ご自宅・現地まで引き取りに伺います!!

当社で保険会社のロードサービスをご利用できるようになりました。
・ご利用は無料
・等級に影響なし
・保険料に影響なし

・エンジンチェックランプ点灯
・見慣れない警告表示やランプ点灯
・オイル漏れ
・水漏れ
・焦げ臭い
・変な音
・変な振動
・エンジンがかからない
・変速ができない
・変速ショックが大きい
・動かすことができない
・なにかいつもと違う
など…

色々対応できます。
この様な場合、自動車保険(任意保険)の付帯サービスで弊社工場までのレッカー搬送、修理完了後の納車、修理期間中レンタカーのご利用が可能です。
遠方でもお客様への負担なく対応できますので、まずはご連絡ください。
※ご加入されている保険内容により変わりますので、
お手元に保険証券をご用意いただき、必ず事前にご相談ください。

この記事を書いている人

オートプラネット篠塚真介

オートプラネット篠塚真介

埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。