メルセデスベンツG350dブルーテック(W463)エンジンチェックランプ点灯で入庫です。東京都世田谷区のお客様よりご連絡をいただきました。
メーターには、あと706キロ以内にエンジン始動不可。という表示がされています。こんな状態では精神衛生上よくないですし、何よりも気になって使用することができません。
メーターには、AdBlueの走行距離制限、あと727キロ以内にエンジン始動不可の表示とエンジンチェックランプが点灯。このカウントダウンは800キロから始まるので表示されてから間もない頃です。
アドブルー液(尿素)を補充しても警告表示は消えず、診断機結果はAdBlue関連のエラーが記録されていました。
あれこれ診断機でリセットなどを実施してみますが、やはり消えることはありません。
部品を交換すれば直りますが欠品が続き修理が難しいことと、ポンプやヒーターの単体供給はされておらず、アドブルータンク本体ごとの交換になります。しかもお値段はすべて交換すると30万円~40万円になることも。
また排気ガス後処理システムのAdBlueとNOxセンサーは密接に関係しており、どちらかの故障でも走行距離制限の表示がされます。
以前にも書きましたが、この悪評高いNOxセンサーはメルセデスベンツの中でもトップクラスの故障率になるかと思います。しかもNOxセンサーは1つ10万円ほど。交換してもまたすぐに故障するという事例も多数散見され困ったものです。車種によっては3個も付いていることもあり、その度にすべて交換すると30万という高額修理なることは容易に想像がつきます。
実はこのNOxセンサー。最近は供給が安定してきたようですが、少し前までは世界的に欠品状況が続いていて、注文しても半年、1年待ちはザラでした。こんな状況下でチェックランプが付いたまま1年も乗り続けることで怖いのが、チェックランプが付いていることに慣れてしまい、他の重大なエラーを見逃してしまうことです。
通常お客様自身でエラーの詳細を確認することは難しいので、整備工場やディーラーで確認するしかありません。頻繁にエラーチェックをしてもらうために足を運ぶのも面倒だと思いますし、診断費用もバカになりません。
AdBlueもNOxと同様で部品の欠品が続き、修理費用もかなり高額になりがちです。ユーザー様は今後のAdBlueやNOx関連のエラーを心配されており、希望もありましたのでアドブルーNOx撤廃作業を行うことになりました。

ECUはエンジンルーム向かって左側に設置されています。静電気に十分注意しながら取り外し。

まずはオリジナルデータの読み出すためにFLEXと接続。

読み出したデータを保存。万一データが消失、破損しても大丈夫なように2重、3重にバックアップを取っています。

読み出したデータを元にAdBlue NOx撤廃データを作成。そして書き込みます。
後処理としてAdBlueモジュールの切り離しをするのですが、Gクラスは初めてなのでマニュアルを見て位置を確認。
ありました。
AdBlueモジュール見つけました。コネクターを切り離しほこりや外的要因でショート等が発生しないよう布テープで養生します。
プログラムをインストール後、診断機で検査。エラーはありません。
メーター上もチェックランプは消え「故障はありません」ですって。無事に作業完了です。
ご依頼ありがとうございました。
今回の作業は部品の調達に時間がかかったり、チェックランプ点灯の裏に隠された重大エラーの事などを踏まえた作業となりますので、ご理解いただければ幸いです。
メルセデスベンツ以外でもBMWやフォルクスワーゲンなども対応可能な場合がありますので、NOxやアドブルーでお困りでしたらお問い合わせお待ちしております。
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにも1~2週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 初めての問い合わせで不安な方
● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。
重ねてお伝えいたしますが、これを「修理です」とは言えない作業だと思っています。NOxセンサーにしてもAdBlue関連の部品にしてもかなり高額である上に、長期欠品が続く中で直したくても直せないトラブルになります。それをプログラムで少し「調整」してあげるというものです。
こんな状況下でチェックランプが付いたまま乗り続けることで怖いのが、点灯している原因や内容を把握しているけれど、他の重大なエラーを見逃してしまうことです。
敏感に反応する所を少し調整してあげることで、重大なトラブルが生じた際にはきちんとドライバーさんにお知らせしてくれるという、本来あるべき「エンジンチェックランプ」としての機能を取り戻す作業です。
こちらの作業を希望される方は、この内容をご理解いただければ幸いです。
この技術・情報はまだまだ発展途上の所もあります。
殆どが成功し続けて行く中、それでもごくごく稀にエラーが消えないとか、スターターロックが再発動するとか、そんな事が起こるのがゼロではありません。
この一連の作業内容ができるネットワークは今や10社以上に広がり、まだ更に広がる可能性を含んでいます。そしてお互いに情報を共有しつつ、時にはトライ&エラーを続けながら全員で前に進んでいます。
現況では完璧に仕上がった技術では無い事や、もしかするとその「ごく稀」な案件に当たってしまう事もあるかも知れません。不本意ながらご迷惑をおかけしてしまう事だってあると思います。
そんな時こそそのネットワークを駆使し、施工している仲間たちで知恵を絞り出し合って、精一杯対応させて頂きます。全員が本気で取り組んでいますので、暖かい気持ちで見守っていただければ幸いです。
もちろん、その様な事が起こらない様に、日々学び、日々ステップアップし続けていますので、もし「依頼してみたい」と思って頂けた方は、お問い合わせ下さい。

参考データ・作業内容

メルセデスベンツ Gクラス G350d (W463)

<AdBlueシステムとNOxセンサーの故障対策プログラム>

・AdBlueシステム撤廃プログラムインストール
・NOxセンサー撤廃プログラムインストール

アドブルーとNOxでお困りでしたらお問い合わせください。
048-798-2922
(受付時間 月~土 9:00~18:00)

故障トラブルでお困りの方へ
ご自宅・現地まで引き取りに伺います!!

当社で保険会社のロードサービスをご利用できるようになりました。
・ご利用は無料
・等級に影響なし
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・動かすことができない
・なにかいつもと違う
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色々対応できます。

この様な場合、加入されている自動車保険の特約でレッカー搬送および納車が出来る場合がございます。まずはご連絡ください。

※加入されている保険の内容で変わりますので、
お手元に保険証券をご用意いただき、必ず事前にご相談ください。

この記事を書いている人

オートプラネット篠塚真介

オートプラネット篠塚真介

埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。