スズキ ソリオ MA15S 入庫

今回のお車はスズキ ソリオ(DBA-MA15S)。

神奈川県相模原市からお越しのお客様で、当店の過去のソリオ整備記事をご覧になり「同じ症状だ」とご相談いただいたケースです。

走行距離は171,137km。CVT(無段変速機)の警告灯が点灯し、スズキの整備工場で診てもらったところ「バルブボディ本体ごとの交換が必要」との診断。その費用にお困りになり、当店へご相談いただくことになりました。

  • 症状:CVT(トランスミッション)警告灯が黄色点灯
  • 他店診断:バルブボディASSY交換(高額見積もり)
  • DTC:P0841 セカンダリ圧センサー系統特性異常

「本体ごとの交換しか方法がない」と言われてしまうケース、CVT車ではよく見受けられます。ただ実際に診てみると、センサー単体の交換で解決できるケースも少なくありません。まずはしっかり診断するところから始めていきます。

診断と原因特定

まずはAUTEL診断機(MaxiSys Elite)で全システムをスキャン。出てきたエラーは……

P0841 セカンダリ圧センサー系統特性異常

スズキのCVT搭載車でこのコードが入力されているケース、当店でも何台も手がけてきました。このソリオ(MA15S)に搭載されているCVTにとっては、いわば「持病」とも言える部位です。

Autel診断機 スキャン結果 P0841検出

Autel診断機によるスキャン結果。P0841が「シフトショック」システムで1件検出されています

セカンダリ圧センサーとは、CVT内部のプライマリープーリーとセカンダリープーリーのうち、出力側(セカンダリー側)の油圧を検知するセンサーです。CVTはこのセンサーの信号をもとに変速比を制御しているため、センサーが正確な油圧を読み取れなくなるとTCU(トランスミッションコントロールユニット)が適切な制御を行えなくなり、警告灯の点灯につながるわけです。

他店での診断では「バルブボディ本体ごとの交換」を勧められていましたが、P0841はセンサー単体の不良で発生することが多いDTCです。センサーを取り外して詳しく確認していきます。

作業内容

まずはCVTフルード(CVTF)を排出するところから。

CVTFドレンボルトを外してオイル排出

ドレンボルトを外してCVTFを排出。赤みのある色はまだ比較的良好な状態
続いてオイルパンを取り外します。

オイルパン内マグネット 鉄粉蓄積の様子

オイルパン内のマグネット。鉄粉が蓄積しているのが確認できます

マグネットへの鉄粉付着はある程度の経年使用では見られるものですが、量が多い場合はトランスミッション内部の摩耗が進んでいるサインでもあります。今回は過度な量ではなく、センサー起因の警告灯と判断して作業を進めます。

バルブボディを車体から取り外していきます。

コントロールバルブボディ MA15S ソリオ トレー上

バルブボディを車体から取り外している様子。多数のボルトが使われています

取り外したコントロールバルブボディ 全体

取り外したバルブボディ全体
セカンダリ圧センサーを取り外して確認。新品へ交換します。

旧セカンダリ圧センサー(左)と新品センサー(右)比較

取り外した旧センサー(左)と新品センサー(右)。外観はよく似ていますが内部の特性に問題があります

外観上の明らかな損傷は見えませんが、このセンサーは内部の感圧素子が経年劣化で特性ズレを起こすことが多く、見た目ではわからないのが厄介なところです。P0841「系統特性異常」というコード名のとおり、電気的な断線や短絡ではなく、正常値からの特性ズレが原因となるケースが多いです。

ここで一つ、この修理の難しさについてお伝えしておきます。セカンダリ圧センサーは単品での部品供給が設定されておらず、コントロールバルブボディ本体(アッセンブリー)での供給となるのが通常のルートです。さらに、そのバルブボディ本体すら供給されないケースも実際にあり、その場合はトランスミッション本体ごとの交換という判断になってしまうわけです。

当店では、こうしたケースに対応するため正規品のセカンダリ圧センサーを単品で入手できるルートを確保しています。センサー単体でのピンポイント修理が可能なのはそのためで、バルブボディ本体交換やトランスミッション載せ替えに比べて大幅なコスト削減につながります。

新品バルブボディ 取り付け完了

バルブボディの取り付け完了。ストレーナー(フィルター)も新品に交換済み
続いてオイルパンをきれいに洗浄して組み付けます。

新品オイルパン内側 マグネット2個装着

マグネットも清潔な状態で装着

新品オイルパンとガスケット

ガスケットは新品に交換。
規定トルクで確実に組み付けていきます。

仕上げ・確認作業

部品の組み付けが完了したら、CVTフルードを規定量充填。

ATFチェンジャーでCVTF圧送充填

規定量をきっちり管理して注入します

CVTFレベルゲージ HIマーク付近に油膜確認

Hマーク付近で調整、適正量が入っています
油量の確認まで終わったら、診断機で再スキャンを実施。

修理後の診断スキャン結果 全システム正常 DTC0件

修理後のスキャン結果。全8システムが正常(DTC 0件)を示しています

結果は――

修理後のスキャンでは、全8システムがエラーゼロ。点灯していたCVT警告灯も完全に消灯しました。

試運転でも変速はスムーズそのもの。「バルブボディごと交換」と言われた症状が、センサー一つの交換で解決した事例です。

これで修理は完了となります。

参考データ・作業内容

  • 車種:スズキ ソリオ
  • 型式:DBA-MA15S
  • 年式:平成24年5月
  • 走行距離:171,137km
  • 検出DTC:P0841(セカンダリ圧センサー系統特性異常)
  • 作業内容:セカンダリ圧センサー交換、オイルパン交換、CVTFフィルター交換、CVTF圧送交換

ご依頼ありがとうございました。

丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにも1週間から2週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 初めての問い合わせで不安な方
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経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

同じ症状でお困りの方へ

「CVT警告灯が点灯した」「変速がおかしい」などの症状は、ミッション本体の故障と思われがちですが、実際にはセンサーやバルブボディが原因のケースがほとんどです。

車種・型式/症状の出る条件(いつ・どんな場面)/警告灯や表示内容/DTC(分かれば)をお知らせいただくとご案内がスムーズです。

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CVT警告灯が点灯するトラブルは、ミッション本体ではなく内部のセンサーやバルブボディが原因のことがほとんどです。当社では、高額なバルブボディASSY交換ではなく、センサー単体のピンポイント整備で症状を改善します。

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