レガシィツーリングワゴン(BR9)
千葉県松戸市のお客様より、レガシィツーリングワゴン(BR9)5ATの故障修理のご依頼です。

症状はものすごい大きな変速ショックがあるとのことです。弊社へ入庫される前にスバルディーラーにて点検をしてもらった結果、

「走行距離も15万キロを超えていることもあり、トランスミッション内部の摩耗によりオイルが汚れている為」との見解です。オーナー様は納得ができず弊社へ相談があり、その後入庫となりました。
2022年11月現在、この修理に必要な「ハーネス SUB ASSY」が供給が追いついていないようで、メーカー欠品が続いている状況です。弊社でストックしてあった在庫も修理依頼の予約分で終了となる見込みです。
修理を希望されるお客様におかれましては、ご迷惑をお掛けすることになり申し訳ございません。
欠品が続いておりますが1月の初めごろには入荷する予定でございます。その他の修理も含め多数のご依頼がある状況ですが、ある程度の受け入れ態勢を整えていますので、修理を希望される方はお早めに連絡をいただければと思います。

早速その症状を確認するため試乗へと向かいましたが、15分経過してもその症状は確認できません。マニュアルモードにしてみたり、SIクルーズを変えてみたりしても、いたって普通に走行できています。



そのときです、何かにぶつかったような大きなショックがありました。あまりの大きさに「あっ!」と声が出てしまったほどです。これは変速ショックとは呼べるものではなく「かなり大きな衝撃」と言っていいレベルの症状です。

このまま工場に戻る際に2度目のショックが来たら怖かったので、変速させないようにマニュアルモードで1速に固定しゆっくり戻りました。
変速ショックとは呼べないレベルの「衝撃」がオイルの劣化で起こるものなのか???きっと起きないと思います。
診断機でタービン回転センサー2の故障コード
診断機で現在の車両状態を確認します。
DTCコード: P1710
記憶されていたのはタービン回転センサー2。常に故障しているわけではなく、何らかのタイミングで信号が途切れて油圧の制御がうまくいかず、変速ショックが起きるのだと推測します。
この故障は新車保証延長の対象でしたが、ギリギリ間に合わず今回は実費での修理対応となります。なんともやりきれません。メーカーさんも故障原因がわかっているのでしたら、もう少し柔軟に対応してほしいものですね。
5速オートマチックトランスミッションを搭載するのは、インプレッサの他に、レガシィ、エクシーガ、フォレスター、アウトバックなど多岐にわたり現在までに50台以上の修理をしてきました。
レガシィツーリングワゴン(BR9)の下回りの様子
部品も入荷しましたし、作業を進めます。
レガシィツーリングワゴン(BR9)オートマオイルの抜き取り
まずはATFの排出をします。
レガシィツーリングワゴン(BR9)ATオイルパン。
オイルパン底部には残留フルードがありますので、こぼさないようにゆっくりと外します。
レガシィツーリングワゴン(BR9)バルブボディ下側
バルブボディとストレーナーが見えました。
レガシィツーリングワゴン(BR9)バルブボディ取り外し作業
接続されているハーネスを切り離して、取付ボルトを緩めバルブボディを取り外します。
レガシィツーリングワゴン(BR9)のバルブボディ
バルブボディが降りました。
レガシィツーリングワゴン(BR9)ハーネスサブassy
このハーネスを交換いたします。
レガシィツーリングワゴン(BR9)新品ハーネスサブassy
新品のハーネスサブassy。こちらに交換します。
部品番号:30922AA010
バルブボディ本体はできる限りパーツクリーナーで洗浄します。
見える範囲のみになりますがトランスミッション内もキレイに洗浄。
キレイに洗浄も終わりましたのでバルブボディを元に戻します。
ATストレーナーです。こちらは単体供給がありませんが弊社は入手できますので交換が可能です。
取り外したオイルパン。見る限り走行過多による摩耗粉やスラッジは見当たりません。
鉄粉の量は適正範囲内です。
キレイに汚れを落とせば新品同様です。
マグネットは定位置にセット。液体ガスケットを塗布。この液体ガスケットの量の加減が意外と難しいんです。少なすぎても多すぎてもダメ。適量を塗布しないと後々トラブルにもなります。
オイルパンを元に戻します。取付ボルトはトルクレンチでしっかりと締付。
ドレンボルトガスケットは新品に交換。
抜けたオイル量は6.2リットルでした。
この車の総油量は9.6リットル。この時点で約全体の65%が新油に入れ替わったことになります。
バルブボディを下ろしてハーネスを交換終わりフルードも入れましたので、ここでATの学習作業を行いたいと思います。
診断機の指示に従って作業をします。
特に難しいことはありません、画面の指示に従って進めるだけです。
AT学習が正常に終わりました。

ひとまずこれですべての作業が完了しました。試乗をして症状が改善しているか確認をします。

15分、30分、1時間と試運転をしましたが、変速ショックは無くなり、とってもスムーズになりました。
いろいろ分解もしましたしATFの入れ替えもしたので、再度診断機で各部のチェック。車両システムにエラーはありません。
タービン回転センサー2修理後の手紙
後日お客様より修理後の報告をいただきました。

—–
ミッションの故障

15万キロを走行していますが、走行中に車の床に固いものがぶつかったような衝撃が起きました。なにが起こったかと思いましたが、その後はそのようなことがありませんでしたが、今年にはいり、衝撃が頻繁に起きるようになってためスバルデイラーに持ち込み点検してもらう。結果は「オートマ・ミッションの摩耗によるオイルの汚れ」と言われた、修理を依頼したが、交換修理をしても効果が保障できない」と言われ修繕をあきらめる。

 そこでインターネットで調べると、スバルレガシーの同じような故障が生じている事。購入10年以内であれば実質リコールをしていたことが判り、そのための交換や修繕をする工場が判明する。そこでオートプラネット社を知り価格や経験などを参考に修繕の依頼をした。

修繕後に130キロ走行したが異常無しであった、修理経過を写真入りで説明があるので修繕前と後が分かりやすい。

—–

このような報告は僕たち整備士にとって何にも代えがたいうれしい瞬間です。

ご入庫ありがとうございました。

オートプラネットでは丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業に時間がかかっています。急いで作業を行えばヒューマンエラーということも起こりえます。

ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
● 初めての問い合わせで迷っている方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

レガシィツーリングワゴン (BR9)
施工時走行距離: 158000キロ

<修理内容>
・タービン回転センサー2(ハーネスSUBASSY)交換
・ATストレーナー交換
・ドレンボルトガスケット交換
・ATF

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。

故障トラブルでお困りの方へ
ご自宅・現地まで引き取りに伺います!!

当社で保険会社のロードサービスをご利用できるようになりました。
・ご利用は無料
・等級に影響なし
・保険料に影響なし

・エンジンチェックランプ点灯
・オイル漏れ
・水漏れ
・焦げ臭い
・変な音
・変な振動
・エンジンがかからない
・変速ができない
・変速ショックが大きい
・動かすことができない
・なにかいつもと違う
など…

色々対応できます。

この様な場合、加入されている自動車保険の特約でレッカー搬送および納車が出来る場合がございます。まずはご連絡ください。

※加入されている保険の内容で変わりますので、
お手元に保険証券をご用意いただき、必ず事前にご相談ください。

この記事を書いている人

オートプラネット篠塚真介

オートプラネット篠塚真介

埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。