
今回のお車はスバル レガシィセダン(BN9)。走行距離198,502kmのリニアトロニック(CVT)搭載車です。
ある日の走行中、突然メーターに複数の警告灯が点灯。「直ちに停車し販売店へ連絡」——そんな表示を見たら、誰でも慌てますよね。その場からまったく動かせなくなってしまったとのこと。ディーラーに持ち込んだところ「コントロールバルブボディASSY交換、20万円超」と告げられ、途方に暮れていたところで当店のブログにたどり着いていただいた、というケースです。
福島県耶麻郡にお住まいのオーナー様よりご連絡をいただきました。加入されている自動車保険のロードサービスを活用し、福島県まで当店スタッフが引き取りに伺い、ご入庫となりました。
診断と原因特定
まずはAUTEL診断機で全システムをスキャン。

出てきたエラーは、いつもの…..
これは比較的重症です。放置すると変速制御が完全に失われ、走行自体ができなくなる可能性もあります。今回はすでに「直ちに停車」レベルまで進行していましたしね。






スバルCVT車ではおなじみのエラーですが、当店でもこれまで何台も診てきました。P0971は圧力制御ソレノイドC系回路の異常を示すコードです。圧力制御ソレノイドは、CVT内部の油圧を精密にコントロールするための部品。ここに異常が出ると、TCU(トランスミッションコントロールユニット)が油圧を正確に制御できなくなり、変速不調や警告灯の多数点灯につながるわけです。
なお「VDC」「電動パーキングブレーキ」「ADB」など複数のシステム警告が同時に出ていたのを不思議に思われた方もいるかもしれません。これはCVTの異常をCAN通信経由で他のシステムが検知し、連鎖的に警告を出す仕組みによるものです。それぞれのシステム自体に問題があるわけではなく、CVT系のエラーが解消されれば一緒に消灯します。実際、今回も修理後はすべて消灯しました。
ディーラーではバルブボディASSY交換が推奨されていましたが、当店の経験上、圧力制御ソレノイド単体の不良が濃厚です。実際に部品を取り出して測定し、確認してから作業を進めてまいります。
作業内容
まずはCVTフルードを排出するところから。バルブボディを取り外し、各ソレノイドをマルチメーターで計測していきます。

さて、いよいよ核心部分へ。問題の圧力制御ソレノイドを計測していきます。


数値がはっきり出ました。
125.0kΩ——これはもはやコイルが完全に断線している状態です。
正常なソレノイドであればΩ(オーム)単位の抵抗値を示すところ、kΩ(キロオーム)単位まで跳ね上がっています。TCUがまともな制御信号を送れていなかったわけです。バルブボディASSYごと交換しなくても、このソレノイド単体が原因だったということが、数値でくっきりと証明されました。
数値で原因が確定したので、新品ソレノイドへ交換します。

ソレノイド交換が終わったら、バルブボディを元に戻していきます。

仕上げ・確認作業
フルード交換が完了したら、診断機でAT学習を実行します。TCUにトランスミッションの現在の状態を正確に把握させるための重要な工程です。


学習完了後、試運転へ。
結果は——
変速時のショックや振動は完全に消失。Dレンジへのシフト時もスムーズで、変速フィーリングも良好です。もちろん「直ちに停車し販売店へ連絡」の表示も消え、すべての警告灯がきれいに消灯しました。

福島県から陸送で預けていただいたお車が、これでようやく自走で帰れる状態に。オーナー様にご報告したところ、「思い切って相談してよかった」とのお言葉をいただきました。バルブボディASSYまるごと交換せずに済んだわけですから、費用面でも大幅に抑えることができています。
これで修理は完了となります。
参考データ・作業内容
- 車種:スバル レガシィB4セダン
- 型式:DBA-BN9
- 年式:2018年(平成30年)
- 走行距離:約198,500km
- 検出DTC:P0971(圧力制御ソレノイドC系回路High)
- 作業内容:圧力制御ソレノイド交換 / CVTフルード圧送全量交換 / AT学習実行 / 試運転
ご依頼ありがとうございました。
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。
急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにも3日から1週間程度のお時間をいただいております。
どうぞご協力お願いいたします。
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経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。
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