コントロールバルブボディ分解洗浄+センサー新品交換で復帰した事例
千葉県千葉市にお住まいのお客様より、スバル レガシィツーリングワゴン(BR9)のAT修理をご依頼いただきました。

走行距離は 192,800km。
丁寧に乗られてきたことが伝わる一台で、
「まだ乗り続けたい」とのご相談です。

今回の記事では、P1710(タービン回転センサー2回路異常)が原因で3速→4速の変速ショックが重症化したケースを、写真とともに詳しく紹介します。
■ 車両情報とご依頼内容

車種:スバル レガシィ ツーリングワゴン BR9

・年式:平成22年式
・グレード:2.5GT Sパッケージ
・走行距離:192,800km
・ご依頼地域:千葉県 千葉市

お客様からの問い合わせ内容は以下の通りです。

3速から4速にシフトアップする時に「ガンッ!」という衝撃が出る。
追突されたような強烈なショックで、とても走れる状態ではない。
ディーラーではAT本体交換で80万以上と言われたため、もっと現実的な方法を探していたところブログを見た。
AT交換一択と言われてしまうケース、スバル5ATではよく散見されます。
ただ、今回の症状は機械的な破損より 電気系部品の不良が疑わしいところです。

■ 症状確認と初期診断

試運転で症状を確認すると、お客様の申告通り、3速→4速のタイミングで大きな衝撃 が必ず発生します。衝撃の強さは思わず声が出るレベル。これは比較的重症です。
続いて診断機でTCM内部のエラーを確認すると、やはり「P1710:タービン回転センサー2回路異常」が記録されていました。
このコードはAT内部の回転を読み取るセンサーの信号が途切れている状態を示します。回転数の情報が狂えば、ATは正しい油圧制御ができず大きなショックが発生します。
この段階で、原因はAT内部のタービン回転センサー2の不具合で間違いないと判断しました。

■ 作業工程

ここからは実際の写真に沿って、作業の流れを紹介します。

● 1. ATF排出 → オイルパン脱着

まずはATFを排出します。

排出されたオイルはかなり黒く、においも強めです。
オイルパンを外すと、
マグネットには大量の鉄粉が飽和状態で付着していました。
この量を見る限り「内部通路の目詰まり」や「油圧不良」が起きていている可能性もあります。

● 2. コントロールバルブボディ脱着

各ボルトを緩めコントロールバルブボディを取り外します。

スラッジや鉄粉が堆積している状態、、、

● 3. バルブボディ分解洗浄

バルブボディに付着した鉄粉や汚れをを丁寧に洗浄します。

スラッジや汚れも多く見受けられました、できる限りきれいに洗い流します。

● 4. タービン回転センサー2(新品)に交換

不具合の原因となっていたタービン回転センサー2を新品に交換します。

スバル5ATでは定番の故障ポイントで症状とP1710の同時発生は非常に多い組み合わせです。

● 5. 内部洗浄 → ATストレーナー交換 → 組み付け

ストレーナー(フィルター)も新しいものに交換します。

旧品は真っ黒で、フィルターとしての役割を果たしていませんでした。

■ 学習リセット → 試運転チェック

ATFを規定量まで充填後、診断機でAT学習値のリセット を行います。

画面の指示に従い車両を操作して進めます。
その後、道路へ出て試運転を実施。

結果は――
3速→4速で発生していた強烈な変速ショックは完全に消失。

Dレンジへの切り替え時の微妙なショックも消え、かなり滑らかなシフトフィーリングが戻りました。

これで修理は完了となります。

ご依頼ありがとうございました。
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにも3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 初めての問い合わせで不安な方
● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

レガシィツーリングワゴン (BR9)
施工時走行距離: 192,800 キロ

<スバル5AT変速ショック修理>

・ATオイルパン脱着
・コントロールバルブボディ脱着
・ATストレーナー交換(非売品)
・タービン回転センサー2(ハーネスSUBASSY)交換
・ATF 10L

スバル車の変速ショックでお困りでしたらお問い合わせください。

故障トラブルでお困りの方へ
ご自宅・現地まで引き取りに伺います!!

当社で保険会社のロードサービスをご利用できるようになりました。
・ご利用は無料
・等級に影響なし
・保険料に影響なし

・エンジンチェックランプ点灯
・見慣れない警告表示やランプ点灯
・オイル漏れ
・水漏れ
・焦げ臭い
・変な音
・変な振動
・エンジンがかからない
・変速ができない
・変速ショックが大きい
・動かすことができない
・なにかいつもと違う
など…

色々対応できます。
この様な場合、自動車保険(任意保険)の付帯サービスで弊社工場までのレッカー搬送、修理完了後の納車、修理期間中レンタカーのご利用が可能です。
遠方でもお客様への負担なく対応できますので、まずはご連絡ください。
※ご加入されている保険内容により変わりますので、
お手元に保険証券をご用意いただき、必ず事前にご相談ください。

この記事を書いている人

オートプラネット篠塚真介

オートプラネット篠塚真介

埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。